2005-02-22 フレディ・マーキュリーとペルシ

英国軍人とペルシャ系妻との間に生まれたとされる、フレディ・マーキュリー。 
本当はペルシャ系のインド人だそうな。 

実際のプロフィールは、ゾロアスター教信者のペルシャ系インド人の両親の元、英領ザンジバルで生まれ、その後インドのボンペイで育ち、後に英国へ移住したようだ。 

さて、このペルシャ系インド人というルーツだが、実はこれが非常に面白い。 

彼らゾロアスター教徒であるペルシャ系インド人は、Persiと呼ばれるインドの中の特権階級である。 

彼らは元々ペルシャ(現イラン)にいた。ゾロアスター教は、そこにあった最古の宗教であり、ユダヤ教やモスリムの概念にも影響を与えている。神の復活や、天使、救済などといった概念はすべてここがルーツなようだ。 

その後、モスリムの拡大により、ゾロアスター教信者は迫害を受け改宗を迫られる。彼らは追い立てられるように船で海を渡り、インドへと辿り着く。 

当然インドにはヒンズー教があり、異教徒は好まれない。そこで彼らは、現地のマハラジャに対して「決して布教はせず、他宗教や他民族との結婚はしない(教徒は増やさない)」という約束をする。これは現在も厳密に守られている。 

そのためか、インドの中で彼らPersiは異例ともいえるほど白い。
当たり前である。ペルシャ人なんだから。 

その後、この白人の如き外観が当時の英国の目に留まる。よくある話だが、白人に近い外観の彼らを重用することでタミール系インド人との間で軋轢を起こさせようと狙ったらしい。 
しかしながら温和で争いを好まない彼らと、彼らをある種尊敬していた現地タミール人との間では争いなど起きなかった。 

彼らはその後、英国からの重用でインドの貿易のすべてを掌握し、莫大な富を得るようになる。そしてインド経済を席巻し、一大勢力を築く。その一例がタタ財閥。 

裕福な彼らは、ゾロアスターの教えもあり、現世を楽しみ、常にチャレンジを恐れず、他宗教のように「神のおぼしめし」とすべてを投げ出す事もしない。実に勤勉で有能な連中だったらしい。 

余裕があるし、楽しむことが大好きだから、経済界以外にも彼らはどんどん進出していった。その代表がかの偉大なる指揮者Zubin Mehta。 
ボリウッド(インド映画のハリウッド)との結びつきも深い。ボリウッドで美男・美女役と言えば彼らPersiの独壇場らしい。アガシやシェールもPersiのようだ。 

裕福で勤勉な民族だけに、現代の彼らの抱える問題もおよそインドらしく無い物である。なんと少子化に悩んでる。 
他民族との結婚はいまだに厳禁だから(インドに住む限りの話ではあるが)、人口は減少するばかり。 

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